もったいないので、お風呂の湯(水)を植物に・・・
お風呂の残り湯(水)の使い道は、いろいろと考えたいものです。
あれほどの大量のお湯を排水溝から捨てるのは、何だかもったいない気がしてなりません。
残り湯は主に、洗濯などに使われることが多いですが、植物などにあげるのはどうなのでしょうか。
私は以前、バケツに汲んであげるなどしていました。
でも、いろいろ調べたところ、残り湯は使わないことにしました。
お風呂の残り湯(水)の状態
まず、お風呂の残り湯ですが、いくら身体を綺麗に洗ったところで、汚れています。
身体の垢(あか)はタンパク質で、それが少なからず水の中に含まれています。
また、お風呂に入浴剤などを入れるケースもあるので、水道水からも水質は変わっていることもあります。
ですから、水道水からはずいぶん変わっています。
お風呂の残り湯(水)の状態
お風呂の湯の状態によっていろいろと異なるので、そちらについて1つ1つ考えてみましょう。
水道水を湧かしただけのお湯
塩素もほどほど入っているので塩素によって雑菌は減少しているはずです。
しかし、こちらは人の垢は残っているので、そのタンパク質分が土に入ることで雑菌が繁殖する可能性は否定できません。
ただ、風呂水の使用頻度(風呂の大きさ、入る人数など)によって大きく変わりますし、全体の水の量から考えてもタンパク質の量は少量であるので、雑菌繁殖の影響はとても少ないと考えられます。
塩素などで中和したお湯
お風呂の塩素を中和して塩素を抜くという方法を実践している場合があります。
(くわしくは、今を楽しむ 「ハッピー☆サバイバル」のHP、水道水と塩素の関係 〜塩素の抜き方・家全体からビタミンCまでをご覧ください)
塩素を中和させることでお肌にも優しいバスタイムになりますが、塩素を中和してしまうので塩素の効果がない状態になります。
お湯のまま植物に水やりはできないので、時間が経って冷めてからあげることになりますが、殺菌作用がなくなり雑菌が湧きやすくなりますので、時間が経過するごとに雑菌の量は増えることになります。
したがって、塩素で中和した残り湯も、できれば使わないほうが良い、ということになります。
重曹風呂
最近は、重曹をお湯に入れて入る方も多いと聞きます。
重曹は重曹は、苦土石灰の代わりになる!?でもご紹介したとおり、重曹のナトリウム(塩化)成分が土を塩化させてしまうので、塩害によって植物が根から水を吸収しにくくさせてしまいます。
こちらも風呂に入れる重曹の量にもよりますが、できれば避けた方が良いと思います。
入浴剤
市販または手作りの入浴剤はどうでしょうか。
市販の入浴剤については、それぞれのメーカーサイトでは「たぶん大丈夫」的な見解が出ています。
しかし成分を見ると「ナトリウム系」の成分が入っているのは見受けられます。
また、それ以外にも様々な成分が含まれています。
もちろん入っているのは少量なので影響は少ないでしょうが、毎日となるとそれらの成分も少なからず影響しないとは限りません。
植物が育つ/育たないということだけでなく、入浴剤は食用に考えられているわけではありませんので、様々な化学成分が入っています。
これらが土に蓄積され根がそれを吸い上げていくことを考えれば、やはり避けた方が良いと思われます。
また、バスソルトなどは重曹の時と同様にナトリウム系で土が塩化してしまう可能性があります。
栽培環境や濃度の違い
栽培環境によってもその影響は様々です。
こちらの見解は主に、プランターなどでの栽培の場合を想定しています。
つまり、家から風呂水を運べるのはベランダくらいなので、畑などへの利用は想定していません。
プランターの土というのは、プランター内だけでその世界が完結してしまうため、他からの影響を受けないことがいい面もありますが、逆に、影響がないことで微生物を含む土本来の循環は起こらないということです。
また、根が伸びる先もプランター内に限られてしまいます。
プランター内で限られた土で雑菌が繁殖し、そこでしか根が張れない状態では雑菌の影響を受けざるをえません。
一方畑などの場合には、土の一部でそうした雑菌や塩化などが起こったとしても、深く広く根が張られることで、植物が育つための水分や栄養補給を確保することができます。
たとえばプランターの中で雑菌が湧いた場合、プランター内ではそれらを除去できる環境はありません。
しかし畑などであれば、様々な微生物などが無数にいることもあり、そういった雑菌が多少湧いたとしても、様々な作用で雑菌が死滅する可能性もあります。
溜まった雨水で栽培することができるのも、畑ならではであるといえます。
プランターという特殊な環境においては、気をつけることは多くあります。
結論:風呂の残り湯(水)はできれば使わない方が良い
プランター栽培などの場合、お風呂の残り湯は、できれば使わない方が良いといえるでしょう。
風呂水は生活排水なので、本来は下水として処理されるものです。
もちろん「もったいない」という感じもしますので、掃除や洗濯などで使うことにしたほうが良いと思います。