たくさん葉をつけても、食べられるものが少ない
収穫量を多くしたいというのは誰もが思うことだと思います。
もちろん摘芯などをして葉の数を増やすことで、収穫できる葉の量は増えます。
しかし、本当に収穫量を増やすということは、単に葉の数を増やすのではなく、
食べられる葉の数を増やす
ということです。
食べられない葉が増えても、収穫できる葉の量を増やすことができません。
たとえばこんな葉は食べる気にもなりませんよね。
ですから、健康的な葉をいかに多く増やしていくかということが、本当の収穫量を増やすことなのです。
摘芯栽培で葉の量を増やすと、風通しが悪くなる
摘芯によって葉を増やすことができますが、摘芯をするということは、その分だけ上に広がって逆三角形のような形を作っていくことになります。
このように、黄色い部分の幹から最初の摘芯によって二つに分かれそこからまた分かれ・・・といったように、どんどん広がっていきます。
その結果、1本で最低直径50センチくらいの幅をとることになります。
ということは隣との株の間も50センチは必要になってくるわけです。
当初苗を植えた時には、苗の間を50センチも開けて植えるということはしないと思いますが、いざ大きくなると窮屈になってきます。
こうなるとどんなことが起こるのでしょうか。
風通しが極端に悪くなります。
そして害虫被害や病害が起こりやすくなるのです。
斑点が出てきたら危険信号
風通しが悪くなった時の危険信号は、葉の斑点です。
これは、風通しが悪いせいで、湿度が上がったままとなり、葉に水分が付いてそれがカビとなり斑点がついてきます。
ざっくりいえばこの斑点は、カビによる病害なのです。
カビですよ!カビ・・・・
もう斑点のついた葉を食べる気は起こらないですよね。。。。もちろんその葉を食べたことがカビを食べていることではないので食べても大丈夫ですが。
できればこの斑点のついていない健康な葉を食べたいですよね。
一度、植えてあるバジルやシソ(大葉)の葉をすべて見てみてください。
たぶん、下の方や中の葉などには、特に多く斑点がついているのではないでしょうか。
風通しが悪い場所では斑点模様が多く、食べられない葉が多いのです。
風通しを良くする2つのメンテナンス
風通しを良くするためには2つのことをします。
まずは、その株において風通しを良くすること、そして隣との株の間において風通しをよくすることの2つです。
1本の株で風通しを良くする
バジルやシソ(大葉)の葉を見てみると、どう考えても食べられないような葉があると思います。
そのまま育てて大きくなっても、きっと食べないような葉がありますよね。
あるいはかなり大きく育っていて、食べても美味しくないような葉もありますね。
こうした葉は、どうせ食べないのですから、できれば切ってしまいましょう。
特に、脇芽が出てきたり摘芯によって脇芽が育ったら、その元となった葉は切り落としても構いません。
また、密集している場所などは、枝部分から切り落としても良いと思います。
特に株の足元の部分などは、どれだけ育っても葉を食べることはありませんから、どんどん切り落として風通しをよくしてあげてください。
こうしてまずは1本あたりをスッキリさせましょう。
隣との株の間において風通しをよくする
隣との株の間もスッキリさせる必要があります。
もし密集していて葉をスッキリさせたところで改善しなさそうだったら・・・
思い切って抜いてしまいましょう。
全滅するよりはマシだと思って!
全部が食べられない葉になってしまうのは、育てている甲斐がありません。
もし、葉をスッキリさせて株同士の間に空間ができるようであれば、少し多めに枝を切ってあげましょう。
ご覧のとおり、スッカスカです・・・・
このくらい切り落としてもすぐにモッサリするので大丈夫です。
スッキリさせてみると、かなりの量の葉が食べられないものだということがわかります。
もちろん食べられる葉はどんどん収穫しますが、食べられない部分をそのまま育てていても仕方ありません。
結果的に凄い量の葉や茎を切り落とすことになりましたが、それでも、残った部分が成長してくれればいいのです。
これだけの葉が風通しを悪くさせていたかと思うと、恐ろしい限りです・・・
風通しで食べられる収穫量をアップ
風通しを良くすることで、太陽の光も届きやすくなります。
バジルは太陽がとても好きなので、できるだけ多くの葉に当たるほうが良いです。
そして、水も好むので、あげた水分が湿気となって閉じ込められないように、風通しを良くして、病害や害虫予防をしていくというのが、収穫量をアップさせるコツなのです。
害虫被害は農薬だけで防げるものではなく、風などの自然の力によって防げることもあります。
ぜひ風通しに気をつけてバジルをたくさん収穫しましょう!