化学肥料(化成肥料)とは
化学肥料あるいは化成肥料とよばれる肥料があります。
栽培に必要な養分の肥料の基本三要素【肥料成分比】 N(窒素):P(リン酸):K(カリ)の成分だけを生成したものです。
ですからパッケージの表には、14-14-14とか8-8-8とか数字が三つ並んでいて、成分がすぐわかるようになっています。
中を見ると、もう見分けがつきません。
ほとんどが粒状になっています。
この化学肥料(化成肥料)、多くの栽培で使われています。
ではなぜ、嫌われるのでしょうか?
有機肥料じゃないといけないのでしょうか?
化学肥料(化成肥料)はどんなときに使うのか
化学肥料(化成肥料)は、鉱物などから精製してN(窒素)、P(リン酸)、K(カリ)の成分を取り出しています。
速効性肥料といって、水に溶けやすく、早く効きます。
有機肥料は遅効性肥料といって効き目が遅いので、元肥などで使うことが多いのです。
追肥などで遅効性の有機肥料を使っても、効果が現れるのがとても遅いのです。
ですから、作物で実をつけるような野菜の場合など、栄養分が大量に必要になる時に使われることが多くあります。
元肥で化学肥料を使う時は、プランターで花などを栽培する時などです。
野菜などで化学肥料(化成肥料)を元肥で使っていると、有機微生物の量が少なく、良い土ができません。
ですから、化学肥料(化成肥料)を使いすぎると、土が痩せて、さらに化成肥料に頼らざるを得ない土になってしまうのです。
これが、化学肥料(化成肥料)が悪いと言われてしまう原因です。
有機肥料 VS 化学肥料(化成肥料)
有機肥料は良い!?
化学肥料(化成肥料)は悪い!?
これは一概には言えないところがあると思っています。
化学肥料(化成肥料)は、言ってみればサプリメントのようなものです。
風邪をひいたときに、ビタミンCの錠剤を飲むようなものです。
疲れた時に、ビタミンBの注射をするようなものです。
これって、悪いことですか?
一時的に必要な栄養を補給したところで、全体へ大きな影響が出ません。
一方で、サプリメントに頼っている食生活をしていると、健康な身体ができませんよね。
この状態と全く同じです。
化学肥料(化成肥料)を大量に施して栽培をすれば土が荒れますが、
基本を有機肥料で作って、最後に実がなる(長く収穫する)ために化学肥料(化成肥料)を使うということは、さほど悪くないはずです。
また、いくら有機肥料を使ったとしても、植物が吸収できるのは微生物によって無機化された成分だけです。
ですから結果的に吸収される養分は同じですから、作物そのものに大きな影響を及ぼすことはありません。
ただし、肥料過多になれば肥料焼けといって正常に育たない可能性もあります。
また、成肥料は速効性肥料なのですぐに吸収されたり土に流れてしまうので、追肥をし続けなければならないので、適切な使い方が必要なのです。
有機野菜、有機肥料だけに注目が集まりますが、実際にはもっと怖いものが沢山あります。
化学肥料(化成肥料)よりも怖いもの
肥料よりも殺虫剤などの農薬のほうが、身体への悪影響が大きいです。
有機野菜だからといっても無農薬とは限りません。
また、成長ホルモンなどは農薬でありながら農薬でないという解釈で使われていることも多くあります。
トマトやいちごなど、結実を求められるものにはホルモン剤が使用されていることもとても多いのが現実です。
有機肥料においても、飼料に成長ホルモンや抗生物質が大量に使用されていることもあるので、全く安全とも言い難いです。
いずれにせよ、化学肥料(化成肥料)は悪いと決めつけず、どんなものでも見方次第では悪くも良くもなるということを理解して、自らの責任で選んでいくことをしてゆきましょう。
結果的に食べるのは自分ですから、他人の責任にしたところで解決しません。
選ぶ力を持っていきましょう。